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パテックフィリップの懐中時計!値段や資産価値と偽物の見分け方

4つ並んだパテックフィリップの懐中時計

時計好きなら誰もが一度は憧れる雲上ブランド、パテック フィリップ。その中でも懐中時計は、単なる時計という枠を超えた芸術品としてのオーラがありますよね。

もしかすると、実家の整理で古い懐中時計が出てきたり
あるいは資産としての価値に注目して購入を検討されていたりするのではないでしょうか?

この記事にたどり着いた方は、パテック フィリップの懐中時計の値段や現在の相場、そして偽物ではないかという不安や、歴史的な背景に関する情報を求めていることかと思います。

実は私自身も、ブランドは違いますが初めてアンティークの懐中時計を手に取ったときは、その美しさに感動すると同時に、維持費や本物かどうかの判断にとても迷った経験があります。

この記事では、そんな疑問や不安を解消できるよう、私が調べた情報を分かりやすく整理してお伝えします。

  • 現行モデルからアンティークまでの具体的な価格相場と推移
  • 投資対象としても注目される「ゴンドーロ」などの人気モデル
  • 偽物や改造品を見抜くためのアーカイブ申請やホールマークの知識
  • 購入後の維持管理やオーバーホールにかかる費用の目安
目次

パテック フィリップの懐中時計の値段と資産価値

ルーペを使って慎重に金無垢の懐中時計を鑑定しているスーツ姿の日本人男性
Urban Time Muse

まずは、皆さんが一番気になっているであろう「価値」の話から始めましょう。
パテック フィリップの懐中時計は、現行品かアンティークかによって、その価格帯や価値の考え方が大きく異なります。

現代の腕時計バブルとは少し異なる、懐中時計ならではの奥深い市場動向について、具体的な数字を交えながら見ていきたいと思います。

現行モデルの定価と価格推移

驚かれる方も多いのですが、パテック フィリップは創業から180年以上経った現在でも、懐中時計を「カタログモデル」として製造し続けています。

多くの高級ブランドがクオーツショック以降に懐中時計から撤退してしまった中で、これは本当に凄いことですよね。

パテックにとって懐中時計は単なる過去の遺産ではなく
ブランドの技術力と伝統を示す現役のアイコンなんです!

では、現在手に入るモデルにはどのようなものがあるのでしょうか?
まずご紹介したいのが、最もクラシックで美しいオープンフェイス(蓋なし)スタイルの「Ref. 973J-001」です。

18Kイエローゴールドのケースに、真っ白なラッカー文字盤、そして視認性の高いブレゲ数字のインデックス。まさに「懐中時計の王道」とも言えるデザインです。このモデルの国内参考定価は、調査時点でおよそ766万円(税込)となっています。

そしてもう一つ
より複雑なケース構造を持つハンターケース(蓋付き)のモデル「Ref. 980G-010」も見逃せません。

こちらはホワイトゴールド製で、リューズにあるボタンを押し込むと、パカッと表蓋が開く仕組みになっています。
この蓋の開閉音や感触にも、パテックならではの緻密な調整が施されているんですよ。
こちらの参考定価はさらに上がり、約995万円(税込)となります。

「えっ、高級車が買える値段!?」と思われたかもしれませんが
これでもパテック フィリップの中では「エントリー」に近い位置付けかもしれません。

なぜなら、これらの現行モデルには、ムーブメントの品質を保証する最高峰の認定「パテック フィリップ・シール」が与えられているからです。

これは、単に精度が良いというだけでなく、仕上げの美しさ、素材の品質、そして「時計が存在する限り修理し続ける」というアフターサービスまでを含めた、究極の品質保証なんです。

価格推移についてですが、これらの現行モデルは生産数が極めて少ないため、市場に出回ること自体が稀です。
そのため、中古市場でも定価に近い、あるいは定価を超えるプレミア価格で取引されるケースも珍しくありません。

特に近年は世界的なインフレと金価格の高騰、そして高級時計への投資熱が相まって、右肩上がりの傾向が続いています。「欲しい時が買い時」というのは、まさにこのことかもしれませんね。

アンティークの中古市場相場

重厚な木製のテーブルの上に並べられた、オープンフェイスやハンターケースなど様々な種類のアンティーク懐中時計
Urban Time Muse

現行モデルが雲の上の存在だとしても、諦めるのはまだ早いです。

実は、アンティーク(ヴィンテージ)市場に目を向けると、意外にも現実的な価格帯でパテック フィリップの懐中時計を手に入れることができるんです。

ここが、投機マネーが入り乱れる
「ノーチラス」や「アクアノート」などのスポーツウォッチ市場とは決定的に違う
懐中時計市場の面白いところです。

市場の相場感を掴んでいただくために、主なカテゴリーごとの価格目安を表にまとめてみました。

種類 特徴・素材 相場目安(中古)
シンプルな3針モデル 18Kイエローゴールド / オープンフェイス 80万円 ~ 150万円
ハンターケースモデル 18Kゴールド / 装飾あり 120万円 ~ 200万円
クロノメトロ・ゴンドーロ ブラジル市場向け / 24時間表示など 150万円 ~ 300万円
複雑時計(コンプリケーション) ミニッツリピーター / 永久カレンダー 500万円 ~ 数千万円

いかがでしょうか?
シンプルな3針モデルであれば、状態にもよりますが80万円から150万円程度で見つけることが可能です。

もちろん決して安い金額ではありませんが、現行のカラトラバが400万円以上することを考えると「100年前のパテック フィリップ」という歴史的遺産を所有するコストとしては、非常に割安に感じられませんか?

ただし、アンティークの価格は「一期一会」の要素が強いです。
同じモデルでも、文字盤の汚れ具合、ケースの傷、過去の修理履歴によって価格は倍以上変わることもあります。

特に評価を分けるのが「付属品」の有無です。
当時のオリジナルの箱(革張りの豪華なものが多いです)や、販売時の保証書(ギャランティ)が残っている個体は極めて稀で、これらが揃っていると価格は20%~30%、あるいはそれ以上跳ね上がります。

また、素材による違いも重要です。

当時はイエローゴールドが主流だったため、ローズゴールドやホワイトゴールド、そしてプラチナ製のケースは生産数が少なく、相場も高くなる傾向にあります。

逆に、ステンレススチール製のパテック懐中時計はさらに希少で、オークションでは金無垢モデル以上の高値が付くこともあるんです。この「逆転現象」も、コレクター市場ならではの面白さですね。

人気の種類とゴンドーロの魅力

クロノメトロ・ゴンドーロを想起させる、大型で存在感のあるアンティーク懐中時計を手に持ち、文字盤を眺める日本人コレクター
Urban Time Muse

パテック フィリップの懐中時計を語る上で、絶対に避けて通れない伝説的なモデルがあります。
それが「クロノメトロ・ゴンドーロ(Chronometro Gondolo)」です。

もしあなたが「人とは違う、物語のある時計が欲しい」と思っているなら、このモデルは最高の選択肢になるはずです。

ゴンドーロは、1872年から1927年頃にかけて、ブラジルのリオデジャネイロにあった代理店「ゴンドーロ&ラブリオ社」のために特別に製造された時計です。

当時、ヨーロッパは不況や戦争で暗い時代でしたが、ブラジル市場は空前の好景気に沸いていました。
そこでゴンドーロ社はパテック フィリップに大量の高級懐中時計を発注し、独自の販売システムで大成功を収めたのです。

ゴンドーロ・ギャングと積立システム

ゴンドーロ社が考案した「Plano do Club Patek Philippe System」は画期的でした。
180人の会員が毎週10フランずつ、最大79週間にわたって積み立てを行うのですが、毎週行われる抽選に当たれば、その時点で以降の支払いが免除され、時計を受け取ることができたのです。
最初の週に当たれば、たった10フランでパテックが手に入るわけです!
このギャンブル性とステータス性がブラジルの富裕層を熱狂させ「ゴンドーロ・ギャング」と呼ばれる会員制クラブまで誕生しました。

時計自体のスペックも特別です。
ゴンドーロのムーブメントには、9金無垢で作られた輪列(ギアトレイン)が採用されているものが多く、裏蓋を開けると黄金色に輝く歯車に圧倒されます。

また、文字盤のデザインも多種多様で、ローマ数字だけのシンプルなものから、24時間表示のダイヤル、赤や黒のインデックスを組み合わせた華やかなものまで、コレクターを飽きさせないバリエーションが存在します。

特に人気なのが、ケースサイズが50mmを超える大型のモデルです。
当時のブラジルの紳士たちは、大きな時計を見せびらかすことがステータスだったため、迫力あるサイズ感が好まれました。

現在の中古市場でも、この「デカ厚」なゴンドーロは存在感が抜群で、150万円から300万円前後の価格帯で取引されています。
単なる時計ではなく、南米の熱気と歴史が詰まったタイムカプセルのような存在、それがゴンドーロなのです。

資産価値が落ちない理由とは

懐中時計の裏蓋が開かれ、ウルフティース歯車などの精緻なムーブメント部品が拡大されているマクロ視点の様子
Urban Time Muse

なぜ、パテック フィリップの懐中時計は
100年という時を超えてもこれほど高い資産価値を維持し続けるのでしょうか?

「ブランドの名前代でしょ?」と思われるかもしれませんが、実はもっと本質的な、物理的な理由があるんです。

最大の理由は、言葉は悪いですが
その「狂気じみた技術力と美学」にあります!

パテックの懐中時計、特に19世紀から20世紀初頭に作られたハイグレードなモデルをルーペで覗くと、現代の時計作りでは失われてしまった技術の数々を発見することができます。

その代表例が「ウルフティース(狼歯)」と呼ばれる歯車です。
これは、香箱真や角穴車などの巻き上げ機構に使われる歯車の歯が、狼の牙のように鋭く、非対称に湾曲している形状のことを指します。

この形状にすることで、噛み合う際の摩擦を減らし、巻き上げの感触を絹のように滑らかにしつつ、強い力にも耐えられる強度を持たせることができるんです。

しかし、この形状を削り出すには極めて高度な職人技と膨大な時間が必要なため
現代の大量生産ラインでは再現が困難で、一部の超高級モデルにしか採用されていません。

また「ムスタッシュ・アンクル」という部品も特徴的です。
これは脱進機のアンクルという部品が、口ひげ(ムスタッシュ)のような形をしており、重心バランスをとるカウンターウェイトの役割を果たしています。

これにより、時計を縦に置いても横に置いても精度の誤差が出にくい構造になっているのです。
シリコン素材などなかった時代に、金属加工の工夫だけで精度を極限まで追い求めた執念には、ただただ脱帽するしかありません。

さらに、パテック フィリップという企業が「家族経営」を貫いていることも、資産価値の安定に寄与しています。
株主の利益を優先して品質を落としたり、安易な増産に走ったりすることなく、長期的な視点でブランドの価値を守り続けている。

この信頼感があるからこそ、コレクターは安心して資産を投じることができるのです。

購入時の注意点と販売店の選び方

「よし、パテックの懐中時計を買おう!」と決心したとしても、焦りは禁物です。
アンティーク時計の世界には、知らなければ大損をしてしまう落とし穴がいくつか存在します。
ここでは、購入前に必ずチェックすべきポイントを具体的にお伝えします。

1. 文字盤のコンディション(特にエナメル)

最も注意すべきは文字盤の状態です。
特に古いパテックに多い「エナメル文字盤」はガラス質でできているため、衝撃で割れてしまうことがあります。

うっすらとしたヘアライン(髪の毛のような細いヒビ)程度なら許容されることもありますが、目立つクラックや補修跡がある場合、資産価値はガクンと下がります。

ルーペや拡大写真を使って、文字盤の隅々までチェックしてください。

2. ケースの痩せ具合(ポリッシュ過多)

金無垢のケースは柔らかいため、過去に何度も研磨(ポリッシュ)されていると、角が丸くなり、刻印が薄くなってしまいます。
これを「ケース痩せ」と呼びます。

コレクターが最も好むのは、エッジが鋭く残っている「ノンポリッシュ」に近い個体です。
裏蓋のホールマークやシリアル番号が鮮明に残っているかどうかが、判断の基準になります。

販売店の選び方

アンティーク懐中時計は、購入後のメンテナンスが命です。
そのため「売っておしまい」の店ではなく、自社に修理工房を持っているか、提携する熟練の職人がいる専門店を選ぶことを強くおすすめします。

具体的には、銀座にある「シェルマン(Shellman)」は、パテック フィリップのアンティークに関して国内トップクラスの在庫と知識を持っており、非常に信頼できます。

また、神戸の「カミネ」や東京の「YOSHIDA」あるいは「ケアーズ(CARESE)」といった名店も、素晴らしい個体を扱っています。

逆に、個人のネットオークションやフリマアプリでの高額購入は
偽物や改造品のリスクが高いため、初心者の方にはおすすめできません。

まずは信頼できる実店舗で、実物を手に取って、お店の方の話を聞くことから始めてみてください。

パテック フィリップの懐中時計の歴史と真贋判定

ここからは、もう少し踏み込んだ内容になります。

パテック フィリップの懐中時計がなぜ「世界最高」と呼ばれるのか?その歴史的な背景と、市場に潜む「偽物」を見分けるための知識を深掘りしていきましょう。

これを知っているだけで、時計を見る解像度が劇的に上がりますし
悪質な業者に騙されるリスクも減らせるはずです。

パテックフィリップ公式
パテックフィリップ公式

創業からの歴史と技術の進化

パテック フィリップの歴史は、1839年5月1日、スイスのジュネーブで幕を開けました。

当初は、アントワーヌ・ノルベール・ド・パテックとフランソワ・チャペックという二人のポーランド人が設立した「パテック・チャペック社」としてスタートしました。

この初期の6年間(1839-1845)に作られた時計は非常に希少で
ポーランドの歴史や宗教画をエナメルで描いた芸術的な作品が多く残されています。

しかし、ブランドの運命を決定づけたのは、1844年のパリ産業博覧会でのある出会いでした。パテックはそこで、フランス人の天才時計師ジャン・アドリアン・フィリップと出会います。

フィリップは当時の時計業界の常識を覆す発明を携えていました。
それが「鍵なし巻き上げ・時刻合わせ機構(リューズ巻き)」です。

今の私たちには当たり前ですが、当時の懐中時計は、ゼンマイを巻くのにも時刻を合わせるのにも、専用の「鍵(キー)」が必要でした。
鍵を失くしたり、鍵穴からゴミが入って故障したりするのが日常茶飯事だったのです。

フィリップの発明したリューズ一つですべてを操作できるシステムは、まさに革命でした。
この技術に惚れ込んだパテックはフィリップをパートナーに迎え入れ、1851年に現在の「パテック フィリップ社」が誕生したのです。

そして同じ1851年、ロンドン万国博覧会で決定的な出来事が起きます。
あの大英帝国のヴィクトリア女王が、パテック フィリップのブースを訪れ、フィリップが開発した鍵なし機構を搭載したペンダントウォッチを購入したのです。

女王が選んだのはラピスブルーのエナメルにダイヤモンドで花模様を描いた美しい時計でした。

このニュースは瞬く間に世界中の王侯貴族に広まり
「パテックを持つこと=最高のステータス」という図式が確立されました。

偽物の見分け方とアーカイブ申請

光があれば影があるように、パテック フィリップの名声が高まるにつれて、偽物や模造品も数多く作られてきました。特に最近の市場で注意が必要なのが「マリアージュ・ウォッチ(Marriage Watch)」と呼ばれる存在です。

マリアージュとは「結婚」を意味しますが、時計業界では「古い懐中時計のムーブメントを、新しく作った腕時計用のケースに移植したもの」を指します。

これらはeBayやヤフオクなどで「パテック フィリップの腕時計」として販売されていることがありますが、メーカー純正の製品ではありません。

ムーブメント自体は本物のパテック製であっても、ケースや文字盤が社外品であれば、コレクターズアイテムとしての価値は著しく低くなります(場合によっては価値ゼロとみなされます)。

本物かどうかの判断基準として、まず見るべきは「ムーブメントの仕上げ」です。
パテック フィリップの職人は、裏蓋を閉めれば見えなくなるパーツの裏側や、ネジの溝の一つ一つまで徹底的に磨き上げています。

もし、仕上げが粗雑だったり、青焼き(ブルースチール)のネジが多用されていたりする場合は疑ってかかるべきです。

伝統的にパテックは、青焼きネジよりも
鏡面仕上げ(ブラックポリッシュ)されたシルバー色のネジを好んで使用してきました。

そして、真贋を100%確定させる最強の武器がアーカイブ抄本(Extract from the Archives)です。

パテック フィリップでは、創業以来製造したすべての時計の記録(台帳)を保管しています。

製造から10年以上経過したモデルであれば、公式サイトから申請(費用は500スイスフラン~)することで、その時計の製造年、販売日、オリジナルの文字盤の種類などが記載された書類を発行してもらえます。
(出典:パテック フィリップ公式サイト『ポケットウォッチ』

もし、手元の時計の情報とアーカイブの記録が一致しなければ、それは「改造品」か「ニコイチ(部品の寄せ集め)」である可能性が高いです。

高額なパテックを購入する際は、このアーカイブが取得可能かどうか、あるいは既に付属しているかを確認することが、鉄則中の鉄則と言えるでしょう。

シリアルとホールマークの年代

虫眼鏡を通して拡大して見える、金無垢ケースに刻印された貴金属のホールマーク
Urban Time Muse

時計の裏蓋を開けると、そこには様々な刻印が隠されています。これらを読み解くことで、その時計がいつ頃作られたものなのか、ある程度の年代を特定することができます。

特に重要なのが
貴金属の純度を証明する「ホールマーク」です。

スイス製の金無垢ケースには、年代によって異なるマークが打刻されています。これを表にまとめてみました。

年代区分 18Kゴールド (750) のマーク 14Kゴールド (585) のマーク プラチナ / 銀 のマーク
1880年 – 1933年 ヘルベティアの頭部(女性の横顔) リス(Squirrel) 熊(Bear)など
1934年 – 1995年 ヘルベティアの頭部(デザイン変更) リス カモ(Duck)など
1995年 – 現在 セント・バーナード犬 セント・バーナード犬 セント・バーナード犬

例えば、もし販売店が「1920年代のアンティークです」と説明しているのに、ケースに「セント・バーナード犬」のマークがあったらどうでしょうか?

表を見れば分かる通り、セント・バーナード犬のマークが採用されたのは1995年からです。
つまり、その時計は「ケースが後年に交換された(サービスケース)」か、あるいは「真っ赤な偽物」である可能性が非常に高いと判断できます。

また、シリアルナンバー(製造番号)も重要です。
パテック フィリップには「ケース番号」と「ムーブメント番号」の2つがあり、それぞれ別の場所に刻印されています。これらの番号を控えてアーカイブを申請することで、正確な製造年を知ることができます。

小さな刻印一つに
その時計の履歴書が詰まっているんですね。

修理やオーバーホールの費用

専用の作業机で、ピンセットを用いて懐中時計の微細な部品を分解・修理している熟練した日本人時計師
Urban Time Muse

「パテック フィリップは一生モノ、いや、孫の代まで使える」と言われますが、それは適切なメンテナンスがあってこその話です。
機械式時計、特に100年前の懐中時計となれば、定期的なオイル交換や部品のチェックは欠かせません。

パテック フィリップの素晴らしいところは、公式に「創業以来のすべてのタイムピースを修理・修復する」と宣言している点です。

どんなに古い時計でも、スイスの工房に送れば、当時の設計図や古い工作機械を駆使して直してくれるのです。
これは他ブランドにはなかなか真似できない凄みです。

ただし、その費用と時間は覚悟が必要です。
正規サービスセンター(スイス送りになるケースが多いです)で手巻き懐中時計をオーバーホールする場合、基本料金だけでも約16万円(約900スイスフラン)以上はかかると考えてください。

もし歯車の欠けやヒゲゼンマイの交換などが必要になれば、数十万円単位で費用が跳ね上がります。
期間も、見積もりだけで数ヶ月、修理完了まで1年以上待つことも珍しくありません。

「そこまでは出せない…」という場合は
国内の優秀な時計修理専門店に依頼するのも一つの手です。

シェルマンやケアーズのような名店であれば、正規料金の6割~7割程度で、かつ比較的短い納期で修理してくれることが多いです。

ただし、部品交換が必要な場合、純正パーツが入手できずに「別作(部品を新しく作る)」となり、結果的に費用がかさむこともあります。
時計の価値と予算を天秤にかけながら、最適なドクターを見つけてあげてください。

パテック フィリップの懐中時計を持つ真の価値

家宝としての継承を象徴する、年配の日本人男性が若い日本人男性に金色の懐中時計を手渡している温かい情景
Urban Time Muse

ここまで、お金の話や真贋の見分け方など、少し現実的な話をしてきましたが
最後に改めて「パテック フィリップの懐中時計を持つ意味」について考えてみたいと思います。

私が思うに、その真の価値とは「物理的な永遠を手にする体験」ではないでしょうか?

現代社会は、スマホもパソコンも数年で買い替えるのが当たり前の「消費の時代」です。
そんな中で、100年以上前の職人が手作業で削り出し、磨き上げた歯車が、今も変わらずチクタクと正確に時を刻み続けている。

この事実は、ある種の奇跡だと思いませんか?

静かな夜、懐中時計の裏蓋を開けて、テンプが呼吸するように動く様子を眺める時間は、何物にも代えがたい贅沢です。

そこには、ヴィクトリア女王が生きた時代の空気や、ゴンドーロ・ギャングたちが熱狂したブラジルの熱気が封じ込められています。

単なる金銭的な資産価値を超えて、人類の叡智と芸術を「所有」し
次の世代へと「継承」していく役割を担う。

もしあなたがパテック フィリップの懐中時計を手にすることがあれば、それは単に時計を買ったのではなく、歴史の一部を預かる「守り人」になったということなのかもしれません。
どうぞ、その重みと喜びを存分に味わってください。

※本記事で紹介した価格や費用は、調査時点の一般的な目安であり、為替変動や市場の状況により大きく変動する可能性があります。また、真贋判定や投資に関する最終的な判断は、信頼できる専門家にご相談の上、ご自身の責任で行ってください。

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