高級時計の代名詞であるロレックスですが、最近の価格高騰ぶりには目を見張るものがありますよね。
ふと「ロレックスは昔安かった」という話を耳にして、30年前の値段や定価はいったいいくらだったのだろうと気になっている方も多いのではないでしょうか?
実は私たちが抱くそのイメージは間違いではなく、かつては今の初任給程度の手取りでも頑張れば手が届く存在でした。
しかし、なぜここまで価格が上がってしまったのか、アンティークが安い理由やこれからの価値に関する疑問も含めて、当時の経済背景とともに紐解いていきたいと思います。
- 30年前のロレックス定価と当時の経済状況の比較
- かつて並行輸入品が激安で販売されていた理由
- 技術進化や素材変更に伴う価格上昇のメカニズム
- 今後の価値と2025年以降の相場見通し
検証:ロレックスは昔安かったという噂の真相
「昔はロレックスなんて誰でも買えた」なんて武勇伝を年配の方から聞いたことはありませんか?
現在の高騰ぶりを知る私たちからすると信じがたい話ですが、歴史を振り返るとその噂には確かな根拠があることがわかります。
もちろん、物価水準の違いはありますが
それを考慮しても、かつてのロレックスは「普通の会社員がボーナスで買える時計」という側面が強かったのは事実です。
まずは、過去の具体的な価格データと当時の日本の状況を照らし合わせながら、その真実に迫ってみましょう。
30年前の値段と当時の経済状況
私たちが「ロレックスは昔安かった」と感じる時代は、大きく分けて2つの時期があるかなと思います。
それぞれの時代で「安さ」の意味合いは少し異なりますが、共通しているのは「庶民の手が届く範囲にあった」という点ですね。

例えば
団塊の世代が若手社員だった1960年代から70年代にかけて、大卒初任給はまだ数万円から10万円未満でした。
この頃、ロレックスのサブマリーナーの定価は約10万円ほど。
決して「安い時計」ではありませんでしたが、給料の数ヶ月分を貯めれば買えるという意味で、労働に対する現実的な目標として機能していたのです。
「いつかはロレックス」という言葉には
頑張れば必ず達成できる夢というニュアンスが含まれていました。
また、記憶に新しい方もいるかもしれない1990年代後半。
この頃はバブル崩壊後の不況下でしたが、為替の影響で「実質的な価格」が非常に下がっていました。
当時の正規店定価は今の半分以下、さらに並行輸入店では驚くような割引価格で売られていた時代があったのです。
この「30万円台で買えた記憶」が、現在の200万円近い価格とのギャップを生んでいる最大の要因だと言えますね。
当時の雑誌を見ると、裏表紙の広告にデイトジャストやエクスプローラーが「大特価の298,000円!」といった衝撃的な価格で掲載されていたりします。
当時の日本経済はデフレの入り口にありましたが、円の購買力は非常に強く、海外製品を安く買うことができました。海外旅行に行ってロレックスを買ってくるのが一番のお得な買い物だった時代です。
このように、経済状況と為替、そしてロレックスのブランド戦略がまだ現在ほど高価格帯へシフトしていなかったことが重なり「昔は安かった」という現象を生み出していたと言えるでしょうね。
歴代モデルの定価表と価格推移
では、実際にどれくらい価格が変わったのか、主要モデルの定価推移を数字で見てみましょう。
これを見ると、今の価格がいかに別次元かというのがよくわかります。
単に値段が上がっただけでなく、桁が変わってきているモデルさえあります。
以下の表は、各年代における代表的なモデルの定価(または当時の一般的な実勢価格)をまとめたものです。
特にデイトナの上昇率は異常とも言えるレベルですね。
| 年代 | サブマリーナー定価 | デイトナ定価 | 当時の特徴 |
|---|---|---|---|
| 1965年 | 約100,000円 | 約148,000円 | 高嶺の花だが現実的。当時の初任給数ヶ月分。 |
| 1980年 | 約380,000円 | 約380,000円 | ブランド化が進行し、高級品の代名詞へ。 |
| 2007年 | 約588,000円 | 約924,000円 | 大幅な価格改定。100万円の大台が見え始める。 |
| 2025年 | 約1,570,800円 | 約2,349,600円 | 完全なラグジュアリー化。富としての地位確立。 |
特に注目すべきはデイトナです。
かつては手巻き式で日付表示もないため不人気で、サブマリーナーと同等の価格帯、あるいはそれ以下で売られることもありましたが、現在は定価ベースでも圧倒的な差がついています。
このように、数字だけ見ても価格は10倍以上に跳ね上がっています。
もちろん物価の上昇もありますが、それを差し引いてもロレックスの上昇率は異常なレベルだと言わざるを得ません。
特に2000年代以降、数年おきに行われる価格改定(プライス改定)のたびに数パーセントから10パーセント以上の値上げが行われてきました。
さらに、ここ数年は為替の影響(円安)を理由とした日本国内定価の調整が頻繁に行われています。
昔は「数年に一度の値上げ」だったものが、最近では「年に数回の値上げ」も珍しくなくなってきました。
これにより、ユーザーの「いつ買うべきか」という判断が非常に難しくなっているのが現状です。
ただ一つ言えるのは、過去のデータを見る限り「待っていれば安くなる」という局面はほとんどなかったということです。
大卒初任給から見る当時の購入難易度
価格そのものよりも重要なのが「当時の収入でどれくらいの負担だったか」という感覚ですよね。
金額の絶対値だけでなく、生活実感としての「重み」を比較してみると、当時のロレックスの立ち位置がより鮮明に見えてきます。
1965年当時の大卒初任給を約2万円〜3万円と仮定すると、10万円のロレックスは初任給の約3〜5ヶ月分。
これは現代の感覚で言えば、70万円から100万円くらいの時計を買う感覚に近いでしょう。
「頑張れば一生モノが手に入る」という絶妙なラインだったわけです。
ボーナスを全額つぎ込めば手が届く、あるいは毎月少しずつ積み立てれば数年で買える。
そんな「現実的な憧れ」の対象でした。

一方、1990年代はどうでしょうか?
初任給が20万円程度まで上がっていた時代に、並行店ではサブマリーナーが30万円台で売られていました。
つまり、初任給の1.5ヶ月〜2ヶ月分程度で新品のロレックスが買えてしまったのです。
これは驚きですよね!
独身の実家暮らしであれば、数ヶ月のアルバイト代でも十分に買える金額でした。
実際、当時の大学生や新社会人が
最初のボーナスや貯金でエクスプローラーI(キムタクモデル)を買うという現象が社会現象化していましたからね。
しかし、現在はどうでしょう?
大卒初任給を約23万円としても、サブマリーナーの定価は約150万円、実勢価格なら200万円を超えます。
これは初任給の約7ヶ月〜10ヶ月分に相当します。
生活費を考えると、新入社員が1年や2年で貯められる金額ではありません。
今の若者がロレックスを買おうとすると、ローンを組むか相当な期間の貯蓄が必要になります。
かつての「若者のファッションアイテム」から「成功者の証」や「富裕層の嗜好品」へと、完全にステージが変わってしまったことが、この「初任給倍率」の変化からも如実に見て取れますね。
アンティークロレックスが安い理由と誤解
「ロレックス 昔」と検索すると「アンティーク ロレックス 安い」といったキーワードが出てくることがありますが、これには少し注意が必要です。
ネットオークションや中古市場を見ていると、確かに現行モデルより安いロレックスを見かけることがありますが、そこには落とし穴もあるからなんです。

確かに、デイトジャストやオイスターパーペチュアル、あるいは手巻きのオイスタープレシジョンなどの古いモデルの中には、現行品よりも安く、30万円〜50万円程度で手に入るものがあります。
しかし、これらが安いのには明確な理由があります。
- 防水性の喪失: 経年劣化によりパッキンやケースが劣化しており、当時の防水性能は期待できません。汗や雨に弱く、日常使いには細心の注意が必要です。
- メンテナンスのリスク: 製造から数十年が経過しているため、部品の供給が終了している場合があります。日本ロレックスでの正規オーバーホールが受けられず、民間の修理業者に頼らざるを得ないケースも多いです。
- 状態の個体差: 文字盤が腐食していたり、ケースが研磨で痩せてしまっていたり、ブレスレットが伸びきっていたりと、状態が万全ではない個体が安価に流通しています。
一方で、スポーツモデル(サブマリーナーやデイトナなど)のアンティークは、事情が全く異なります。
これらは「安い中古品」ではなく「歴史的価値のある富」として扱われています。
例えば「赤サブ」と呼ばれるロゴが赤く塗られたサブマリーナーや、手巻きのデイトナ(ポールニューマンモデルなど)は、数百万円から数千万円、時には億単位の価格で取引されます。
これらはもはや骨董品や美術品の領域です。
状態の良い個体は現行モデルよりも遥かに高い価格で取引されており「昔のモデルだから安い」という常識は、プロフェッショナルモデルには通用しないのが現状です。
むしろ、ヴィンテージならではの「味」(夜光塗料の焼けや、ベゼルの退色など)が高く評価され、世界中のコレクターが血眼になって探している状況なんですよ。
90年代に並行輸入品が激安だった背景
私たちが「ロレックスは安かった」と強烈に記憶している90年代の状況は、日本特有の経済事情が絡んでいました。
あの時代の「安さ」は、ある種のボーナスタイムだったと言えますね。
当時、日本はバブル崩壊後の不況下にありましたが、円の国際的な価値は依然として高く、強烈な円高の恩恵を受けていました。
1ドル80円台など、今では考えられない為替レートの時期もありました。
これにより、海外から独自のルートで輸入する「並行輸入店」が全盛期を迎え
正規店の定価よりも3割〜4割、モデルによっては半額近く安く販売するのが当たり前だったんです。
さらに「キムタクブーム」などで人気が爆発したものの、まだロレックスは「ファッションアイテム」としての側面が強く、現在のような「富としての対象」としては見られていませんでした。
「価値」を気にして買うというよりは、「かっこいいから買う」「流行っているから買う」という層がメインでした。リセールバリューも今ほど高くなく、中古品はさらに安く流通していました。
そのため、家電量販店やディスカウントショップのブランドコーナーで、新品のロレックスが箱積みされ、30万円台で投げ売りされている光景も珍しくありませんでした。
「今週の目玉商品!」のようなチラシにロレックスが載っていたのです。
あの時買っておけば…と後悔している方も多いですが、当時はそれが「普通の値段」だったので、ここまで上がるとは誰も予想できなかったんですよ・・・
この「並行輸入天国」とも言える状況が、日本のロレックスファンの裾野を一気に広げたことは間違いありません。
ロレックスは昔安かったが現在は富へ変化
過去の安さを懐かしむのも良いですが、現在のロレックスが高くなったのには、単なる値上げ以上の正当な理由があります。
ただ高くなったのではなく、モノとしてのレベルが上がり、世界的な価値基準が変わったのです。
ここからは、価格上昇の裏にある技術的な進化と、現代の価値について深掘りしていきますね。
技術進化による品質向上が値上げの理由
「昔は安かった」と言いますが、実は昔のロレックスと今のロレックスは、見た目は似ていても中身は別物と言っていいほど進化しています。
車で言えば、昔のカローラと今のレクサスくらいの違いがあると言っても過言ではないんです。

まず大きな変化が「ベゼル」です。
かつてはアルミ製で傷つきやすく色褪せしやすいものでしたが、現行モデルは「セラクロム」という独自のセラミック素材を採用しています。
これはダイヤモンドに次ぐ硬度を持ち、1500度以上の高温で焼成されるため、製造コストが全く異なります。
このセラミックベゼルのおかげで、長期間使用しても新品のような輝きを保てるようになりました。
ブレスレットも昔は中空(中が空洞)で「シャラシャラ」と軽い音がしましたが、現在は無垢(金属の塊)からの削り出しになり、剛性感と高級感が段違いです。
バックル部分も堅牢な作りになり、工具なしで長さ調整ができる「グライドロック」などの複雑な機構が組み込まれています。
夜光塗料も、トリチウムからルミノバ、そして現在は青く光るクロマライトへと進化し、発光時間や視認性が向上しています。
さらに、心臓部であるムーブメントも進化しています。
パワーリザーブ(駆動時間)はかつての48時間程度から、最新のCal.3200系では約70時間へと大幅に延びました。
週末に時計を外しても、月曜日の朝にまだ動いているというのは、実用上非常に大きなメリットです。
耐磁性や耐衝撃性も向上しており、現代のデジタル社会でも安心して使えるスペックになっています。
このように、研究開発費や製造コスト、物理的な素材のコストが大幅に上がっているため、定価の上昇は品質向上に対する正当な対価という側面も強いのです。
単なるブランド料の上乗せだけではない、確かな進化がそこにはあります。
サブマリーナー等人気モデルの価格変動
具体的なモデルでその変化を見てみましょう。
ロレックスの代名詞であるサブマリーナー(デイト付き)の場合、その価格変動はロレックス市場全体の縮図とも言えます。

90年代の定番モデルであるRef.16610は、並行店の実勢価格で30万円台後半から40万円台でした。
当時の定価は50万円台でしたが、並行店の方が安いのが常識でした。
しかし、2010年にセラミックベゼルを搭載したRef.116610LNが登場すると、潮目が変わります。
定価も上がりましたが、それ以上に人気が過熱し、徐々に並行価格が定価を上回る「プレミア化」が始まりました。
そして現行のRef.126610LNに至っては、2025年現在、定価自体が150万円を超えています。
かつての実勢価格の約4倍から5倍になっている計算です。
さらにデイトナに至っては、かつて不人気で30万円台だった手巻きモデルが、今では数千万円の価値を持つヴィンテージとなっています。
現行モデルも定価230万円に対し、二次流通では400万円〜500万円というプレミア価格がついている状況です。
これはもう、時計というよりは「身につける金塊」のような扱いになっていますね。
正規店でデイトナを買うことは「デイトナマラソン」と呼ばれるほど困難で、買えた瞬間に数百万円の含み益が出るという、宝くじのような存在になっています。
金銭的価値対象として高騰する価値の仕組み
なぜここまで高くなってしまったのでしょう?
それはロレックスが世界的な「金銭的価値対象」として認知されたからです。
単なる「道具」や「ファッション」の枠を超え「富」としての地位を確立したのです。

多くの高級時計やブランド品は、買った瞬間に価値が下がります。
しかし、ロレックス、特にスポーツモデルは「使っても値段が下がらない、むしろ上がる」という実績を30年以上積み重ねてきました。
これは驚異的なことなんですよ!
10年前に買ったロレックスを今売れば、買った値段の倍以上で売れることも珍しくないんですから。
ロレックス社は、需要に対して供給量を慎重にコントロールしています。
常に「欲しい人」が「売っている数」を上回る状態(品薄状態)を意図的に、あるいは結果的に維持することで、ブランド価値を極限まで高めています。
これにより、二次流通市場での価格が高騰し「定価で買えれば即利益が出る」という異常な市場構造が出来上がっているんですね。
「損をしたくない」「どうせ買うなら高く売れるものを」と考える層や、純粋な購入目的のマネーが市場に流入することで、実需とはかけ離れた相場形成がなされているのです。
コロナ禍における金融緩和で溢れたマネーが、株や不動産と同様にロレックス市場にも流れ込んだことも、近年の急騰の大きな要因の一つと言えますね。
2025年以降の相場と今後の展望
では、これから先ロレックスの価格はどうなるのでしょうか?
2024年から2025年にかけての市場の動きを見ると、一時期の異常なバブル(2022年頃、デイトナが500万円を遥かに超えた時期)からは少し落ち着きを見せています。
しかし「暴落して昔のような価格に戻る」ことはまずあり得ません。
その理由はいくつかあります。
まず、円安の影響で日本国内の定価は上がり続けていること。
2025年1月にも主要モデルの定価改定が行われました。
スイスフラン高も続いており、輸入品であるロレックスの原価は上がり続けています。
定価が上がれば、中古市場や並行市場の「底値」も自然と切り上がります。
定価150万円の時計が、中古で30万円になることは構造的に考えにくいですからね。
中国経済の減速などで一時的な需要減退や調整はあるかもしれませんが、長期的には「今日が一番安い」という状況が続く可能性が高いと私は見ています。
「もう少し待てば下がるかも」と思っている間に、定価改定でさらに遠い存在になってしまう…。
ここ数年、多くの人が経験してきたこのパターンは、今後も繰り返される公算が高いでしょう。
(出典:総務省統計局『消費者物価指数』)
結論:ロレックスは昔安かった時代と決別しよう
最後にまとめとなりますが「ロレックス 昔 は 安かっ た」という言葉は、紛れもない事実です。
30年前、私たちは今の数分の一の価格でロレックスを手にすることができました。
しかし、それは当時の円高やデフレ、そしてまだロレックスが「実用時計」の域を出ていなかったからこそ享受できた、ある種の歴史的な幸運だったのかもしれません。

現在のロレックスは、技術的にもブランド価値的にも、当時のそれとは異なる次元のプロダクトになっています。
「昔はよかった」と嘆くよりも、今の価格にはそれだけの品質と世界的な価値が伴っていると理解することが大切かもしれません。
30年前の30万円と今の150万円、金額だけ見れば5倍ですが
その時計が持つステータスや換金性、製品としての完成度もまた、5倍以上に跳ね上がっているのですから。
もし購入を迷っているなら「高いから待つ」のではなく
富を持つつもりで一歩踏み出してみるのが、結果的に一番賢い選択になるかもしれませんね。
ロレックスは、時間を知る道具であると同時に、あなたの富を守り、時には増やしてくれる頼もしいパートナーにもなり得るのですから。



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