日本では正規店に何度通っても「在庫がございません」と断られ続け、いわゆる「ロレックスマラソン」に疲れ果てている方も多いのではないでしょうか?
そんな中で、次の長期休暇やハネムーンの行き先としてハワイを検討しているなら、心のどこかで「ハワイならロレックスが買えるんじゃないか?」という期待を抱いているはずです。
一方で、歴史的な円安が続く今「仮に買えたとしても、日本より高いんじゃないの?」という現実的な経済面の不安も無視できませんよね。
この記事では、2025年現在のハワイにおけるロレックス事情を、私自身の視点と現地の最新情報を交えて徹底的に深掘りします。
単なる店舗紹介にとどまらず、税金の計算から店員さんとの交渉術まで、実際に購入するために必要な知識を余すところなくお伝えします。
- ハワイの正規店における最新の在庫状況と購入制限の実態
- アラモアナやワイキキにある主要店舗の具体的な攻略法
- 円安下での米国定価と関税を含めた総コストのシミュレーション
- 日本の並行輸入相場と比較した際の経済的なメリット
2025年ハワイでロレックスは買えるのか

多くの時計ファンが抱く「ハワイならなんとかなるんじゃないか?」という淡い期待。
私自身もその一人として、現地の状況を徹底的にリサーチしてみました。
結論から申し上げますと、かつてのように「観光客が行けば誰でも好きなモデルを買える」という甘い状況ではありませんが、日本のような絶望的な枯渇状況とは異なり、戦略次第でチャンスをつかめる可能性が確実に転がっています。
ハワイ正規店の現在の在庫状況
ハワイのロレックス正規店(AD: Authorized Dealer)に足を踏み入れた瞬間、多くの日本人が驚く光景があります。
それは、ショーケースの中に時計がずらりと並んでいることです。
日本の正規店では棚がスカスカで、もはや時計屋なのか何屋なのか分からない状態が常態化していますが、ハワイでは見た目上の在庫は豊富にあるように見えます。

「おお!デイトナもサブマリーナーもあるじゃん!」
一瞬、心拍数が上がり、テンションが最高潮に達するのですが、近づいてよく見てみると、そこには冷酷な現実が待っています。
ほとんどの時計の横に、小さなプレートで「For Exhibition Only(展示専用)」と記されているのです。
あるいは、値札が付いていないモデルはすべて展示品(ダミーではなく本物の時計ですが、販売不可の設定)として扱われています。
これらは、来店客にロレックスの世界観を体験してもらうため
そして試着をしてサイズ感を確認してもらうためのサンプルです。
「これだけあるんだから、1本くらい売ってくれてもいいじゃない」と喉まで出かかりますし、実際に懇願したこともありますが、販売員さんは「Sorry」と首を横に振るだけです(泣)
しかし、ここで諦めてはいけません。重要なのはここからです。
店頭に並んでいないからといって、「在庫がない」わけではないのです。
実際に購入可能な商品(Available Inventory)は、店舗のバックヤードにある金庫に厳重に保管されています。
ハワイの正規店における販売スタイルは、日本のように「早い者勝ち」や「タイミング運」だけではありません。
店員(セールスアソシエイト)が、目の前の顧客と会話をし「この人は転売屋ではないか」「ロレックスを愛用してくれるか」「今後も良い関係を築けるか」を見極めます。
そして、その審査に合格したと判断された時だけ
奥から「実は1本だけ入荷がありまして」と、特別なトレイに乗せて時計を持ってきてくれるのです。
つまり、2025年のハワイにおいて「在庫があるか」という問いへの答えは「物理的にはあるが、あなたに売るための在庫があるかは、あなたの振る舞いと交渉次第」ということになります。
これがハワイ市場のリアルであり、攻略しがいのあるポイントでもあります。
「For Exhibition Only」に落胆してすぐに店を出てはいけません。
それはあくまでディスプレイ。
本当の商談は、そこから店員さんとどれだけ深いコミュニケーションを取れるか、そして自分の熱意を伝えられるかで、金庫の扉が開くかどうかが決まります。
アラモアナなど主要店舗の場所
オアフ島でロレックスを探すなら、絶対に押さえておくべき主要な正規販売店が2つあります。
限られた滞在時間を有効に使うためにも、それぞれの店舗のロケーションと特徴、そしてターゲット層を把握しておくことが重要です。
1. ロレックス ブティック ベン・ブリッジ アラモアナ (Rolex Boutique Ben Bridge Ala Moana)

ハワイ最大のショッピングモール「アラモアナセンター」内にある、日本人にとって最も馴染み深い店舗です。
場所はモール中央(センターステージ付近)の2階、エスカレーターの近くに位置しており、高級ブランドが集まるエリアのランドマーク的存在です。
長年のロレックスとのパートナーシップにより、入荷数はハワイでもトップクラスと言われています。
また、日本人スタッフや日本語が堪能なスタッフが常駐しているため、英語に不安がある方でも細かいスペックの確認や、込み入った商談(記念日の相談など)がスムーズに行えます。
ただし、そのアクセスの良さゆえに競争率は非常に高くて、当然ですが常に多くの日本人観光客が訪れています。
私が訪れた際も、入店待ちの列ができていることがありましたからね。
2. ロレックス ブティック ブヘラ インターナショナルマーケットプレイス (Rolex Boutique Bucherer International Market Place)

ワイキキの目抜き通りであるカラカウア通りに面した「インターナショナルマーケットプレイス」の1階に位置する旗艦店です。
運営元の「Bucherer(ブヘラ)」は、2023年にロレックス本社によって買収された世界最大級の時計リテーラーであり、ロレックスグループ直系に近い運営体制となっています。
店内は非常に広く、ラグジュアリーな空間演出がなされており、最新のインテリアデザインが採用されています。
営業時間が夜21時までと長いため、ディナーの前後に散歩がてら立ち寄れるのが嬉しいポイントです。
ワイキキの主要ホテル(シェラトン、ロイヤルハワイアン、モアナサーフライダーなど)から徒歩圏内という立地の良さは他と比べると圧倒的です。
もし旅程に余裕があり、マウイ島へ行く予定があるなら「ショップス・アット・ワイレア」や「ホエラーズ・ビレッジ」にある店舗も狙い目です。
オアフ島に比べて観光客の絶対数が少ないため、競争率が下がる傾向にあります。
富裕層向けのエリアなのでハイエンドモデルが多いですが、意外な出会いが待っているかもしれません。
事前の来店予約と攻略のコツ

「ハワイに着いたら、とりあえずアラモアナに行ってロレックスを覗いてみよう」
もしあなたがそう考えているなら、少し戦略を修正する必要があるかもしれません。
もちろん、ふらっと立ち寄って買える幸運なケースもゼロではありませんが、2025年の今は、事前の来店予約(アポイントメント)こそが、購入確率を上げる最大の鍵となっています。
多くの正規店では、公式サイトやメールフォームを通じて来店予約を受け付けています。
特にベン・ブリッジなどはWebからのコンタクトが可能です。
なぜ予約が必要なのでしょうか?
それは、店員さんに対して「私は本気で購入を検討している顧客である」というシグナルを送るためなんです。
予約時のメッセージで差別化する
単に日時を指定するだけでは不十分です。備考欄やメッセージ欄があれば、そこに具体的な「ストーリー」を盛り込みましょう。
- 「結婚10周年の記念(Anniversary)でハワイを訪れます」
- 「昇進のお祝いに、ずっと探していたサブマリーナーを購入したいです」
- 「妻への誕生日プレゼントとしてレディデイトジャストを探しています」
このように、購入の背景にある物語を伝えることで、店員さんの感情に訴えかけることができます。
ロレックスの販売員は単に物を売るだけでなく、顧客の人生の節目を祝うことに喜びを感じるプロフェッショナルたちです。
服装とマナーも重要な要素
予約が取れていざ来店する際、服装(ドレスコード)にも気を配りましょう。
ハワイはリゾート地なのでカジュアルで構いませんが、短パン・Tシャツ・ビーチサンダルといったラフすぎる格好は避けたほうが無難です。
襟付きのアロハシャツやポロシャツ、足元はスニーカーでも良いので清潔感のあるものを選びましょう。
「この人ならロレックスを身につけるのにふさわしい」と思わせる演出も、攻略の一部です。
また、ハワイ到着後、可能な限り早い日程で店舗を訪れることをおすすめします。
もし在庫がなくても「○日まで滞在しているから、もし入荷があったら連絡してほしい」
と伝えることができるからです。
この「滞在期間の幅」を持たせることが、バックヤードからの提案を引き出すチャンスを生むからなんです。
日本人観光客への購入制限ルール
日本でロレックスを探している方なら、あの厳格な「購入制限ルール」に頭を悩ませていることでしょう。
2024年以降さらに強化され、顔写真付き身分証による本人確認とデータベース登録が必須となり、指定モデルを購入すると1年間(同一モデルは5年間)購入不可という、まるで配給制のようなシステムになっています。
では、ハワイ(米国市場)はどうでしょうか?
ここが最大の違いであり、希望の光でもあります。
ハワイには、日本のような「全国統一のシステム的な購入制限」は公式には存在しません。
つまり、日本の正規店でシステムにロックがかかっている期間中であっても、ハワイの店舗では何の問題もなく購入手続きを進めることができます。
極端な話、在庫さえ出してくれれば、デイトナとサブマリーナーを同じ日に購入することも、夫婦でペアウォッチを同時に購入することも、システム上は可能なのです。
これは、ハネムーンや家族旅行で訪れる層にとっては非常に大きなメリットと言えるでしょう。
システム的なロックがないからといって、無制限に買えるわけではありません。
各店舗(AD)は独自の「転売防止ポリシー(Anti-Flipping Policy)」を持っており、店長やマネージャーの裁量で販売をコントロールしています。
特に人気モデルに関しては、過去の購入履歴(Purchase History)を重視する傾向があります。
「一見の観光客にはプロフェッショナルモデルは売らない」という暗黙のルールが存在する店舗も少なくありません。
ハワイ在住のローカル(カマアイナ)を優先する姿勢も強いため、旅行者は「システム的には買えるが、店舗の信頼を勝ち取る必要がある」というハードルがあることを理解しておきましょう。
買えるモデルと入手難易度マップ

「じゃあ、結局のところ何なら買えるの?」という疑問にお答えするために、現地の在庫傾向と購入難易度をマップ化してみました。あくまで私の調査と体感ベースですが、モデル選びの参考にしてください。
| 難易度 | モデル例 | 傾向と対策 |
|---|---|---|
| SSS (激ムズ) |
コスモグラフ デイトナ GMTマスターII(ペプシ/バットマン) |
一見の観光客に案内されることはまずありません。数万ドル以上の購入履歴があるVIP顧客か、地元有力者向けに確保されています。ここに固執すると時間を浪費します。 |
| S (困難) |
サブマリーナー(デイト/ノンデイト) グリーンサブ GMTマスターII(コンビ) |
非常に厳しいですが、ゼロではありません。特に「コンビモデル(ロレゾール)」や「金無垢」であれば、ステンレスモデルより競争率が低く、タイミング次第で案内される可能性があります。 |
| A (狙い目) |
デイトジャスト41 オイスターパーペチュアル(人気色以外) エクスプローラーI |
十分にチャンスがあります。特にデイトジャストは入荷数が多く、文字盤の色やブレスレット(ジュビリー/オイスター)の希望を広げておけば、案内される確率は高いです。 |
| B (有望) |
レディデイトジャスト デイデイト(金無垢) 貴金属モデル全般 |
最も購入しやすいゾーンです。特にレディースモデルは在庫が豊富。「妻へのプレゼント」として購入し、実績を作ってから自分の時計を相談するという戦略も有効です。 |
2025年のトレンドは「コンビ」と「金無垢」
円安の影響で、日本円換算での価格が跳ね上がっている「金無垢(ゴールド)」や「コンビモデル」は、以前に比べて日本人ライバルが減っています。
予算が許すのであれば、ステンレスのスポロレ一本狙いではなく、少しラグジュアリーなモデルに視野を広げると、ハワイでの正規店購入という夢が一気に現実に近づくはずです。
ハワイでロレックスを買える場合の総費用
「在庫があって、店員さんも売ってくれると言っている!やったー!」と舞い上がるのはまだ早いんです。
ここで冷静な計算が必要になります。
実際にハワイで購入した場合、日本円でいくら支払うことになるのか?
そして、日本に持ち帰る際にかかる税金はいくらなのか?
これらを正確に把握しておかないと、「日本で買ったほうが安かった…」という事態になりかねません。
ここでは、シビアに数字を見ていきましょう。
最新の米国定価と為替の影響
まず前提として、ロレックスは原材料費の高騰や為替変動を反映し、定期的に価格改定(値上げ)を行っています。
米国定価(MSRP)も2025年1月に調整が行われ、全体的に上昇傾向にあります。
例えば、不動の人気モデル「サブマリーナーデイト (Ref.126610LN)」を例に挙げてみましょう。
2025年時点での米国定価は、およそ$10,650です。
これに為替レートを掛け合わせます。
仮に1ドル=150円で計算すると、本体価格だけで約1,597,500円となります。
「あれ?日本の定価(約157万円)とあんまり変わらない?」と思うかもしれませんが、ここからが本番です。
ハワイでの買い物には、日本の消費税にあたる州税がかかります。
オアフ島(ホノルル)の場合、General Excise Tax (GET) とサーチャージを合わせて、約4.712%が加算されます。
つまり、店頭で支払う金額は $10,650 × 1.04712 ≒ $11,152(約167万円) となります。
この時点で、すでに日本の定価を超えてしまっています。
帰国時にかかる関税と消費税
さらに忘れてはならないのが、日本帰国時の税関申告です。
「バレなきゃいい」なんて考えは絶対に捨ててください。
時計の箱を持っていればもちろん、腕につけていてもプロの税関職員にはすぐに見抜かれますし、脱税は犯罪です。
よく「関税」と言われますが、個人的な使用目的で輸入する腕時計に関しては、実は関税は無税です。
その代わり「消費税・地方消費税」が徴収されます。
海外での購入品総額が免税範囲(20万円)を超える場合、20万円を超えた分だけでなく
その品物の全額に対して課税されます。
- 課税標準額: 海外小売価格の60%(個人輸入の特例)
- 税率: 10%(消費税7.8% + 地方消費税2.2%)
つまり、ざっくり計算すると「購入価格の約6%(0.6 × 0.1)」を空港で支払うことになります。(出典:税関 Japan Customs『1006 まとめて課税運用の見直し(関税定率法基本通達)』等に基づく一般的解釈)
先ほどのサブマリーナー(約167万円)の場合、約10万円ほどの税金がかかります。
これを支払って初めて、堂々と日本国内で使えるようになるのです。
日本の並行相場との価格比較

では、すべてのコストを合算してみましょう。
ハワイ支払額(約167万円) + 帰国時納税(約10万円) = 総取得コスト 約177万円
一方で、日本の正規店定価は約157万円(税込)。
比較すると、ハワイで買うほうが約20万円高い(割高)という結果になります。
「わざわざハワイまで行って、高い値段で買うなんて意味がない」と思われるでしょうか?
しかし、ここで比較対象を変えてみてください。
日本の正規店では、そもそもサブマリーナーは売っていません。
買おうと思えば「並行輸入店」や「二次流通市場」で
プレミア価格(プレ値)で購入する必要があります。
2025年現在、サブマリーナーデイト(126610LN)の新品並行相場は、220万円 ~ 240万円ほどで推移しています。
これとハワイでの総取得コスト(177万円)を比較するとどうでしょう?
230万円(日本相場) - 177万円(ハワイ購入) = 約53万円のお得!
そうです。現在のハワイ購入の最大のメリットは「日本の定価より安く買う」ことではなく「日本の異常なプレ値相場よりも圧倒的に安く、かつ正規の新品を入手する」ことにあるんです。
この「50万円以上の含み益」と「自分で正規店から買ったという満足感」をどう評価するかで、ハワイ購入の価値は決まります。
現地の二次流通市場を活用する
もし、正規店(AD)でどうしても目当てのモデルが出てこなかった場合、手ぶらで帰るのは寂しい…という方もいるでしょう。
そんな時はハワイ現地の信頼できる中古時計店(Grey Market Dealers)を覗いてみるのも一つの選択肢です。
ホノルルには「Diamond Guy Hawaii」や「Watch Guys」といった、評判の良い時計店が存在します。
彼らは正規店から流れてきた新品同様の個体や、良質な中古品を豊富に在庫しています。
価格は当然ながら市場相場(プレ値)になりますが、即納が可能であり、日本で探す手間を省くことができます。
ただし、利用する際は必ずその場でスマートフォンを取り出し「価格.com」や「Chrono24」で日本の相場をチェックしてください。
円安の影響で、場合によっては日本の並行店で買うよりも高くなってしまうケースがあります。
冷静に電卓を叩き、納得できる価格であれば、旅の記念として連れて帰るのも素敵な思い出になるでしょう。
結論:ハワイでロレックスは買えるか
ここまで、2025年のハワイ・ロレックス事情について詳しく見てきました。最後に、私の考える結論をお伝えします。
ハワイでロレックスは「条件付きで買えるし、特定のユーザーにとっては非常に買う価値がある」と言えます。
- 日本の正規店で全く相手にされず、購入制限に疲れた方
→ ハワイの「制限なし・在庫あり」の環境は、まさに救世主となるでしょう。 - 日本の並行相場より安ければOKという合理的思考の方
→ 正規店定価より多少高くても、プレ値より数十万円安く買えるなら、経済的な勝算は十分にあります。 - 記念日に「ハワイで買った」というストーリーを大切にしたい方
→ アラモアナやワイキキの洗練されたブティックで、シャンパンを飲みながら時計を選ぶ体験は、プライスレスな価値があります。
日本のように「ルールで買えない」わけではありません。
必要なのは、事前の周到な準備(予約)と、現地での店員さんとのポジティブなコミュニケーション、そして円安を受け入れる少しの勇気です。
これからハワイへ行かれる皆さんが、運命の1本と出会い、最高の笑顔で帰国されることを心から願っています。
Good Luck!


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